Spark (スパーク/星火)

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中国人が見た日本:九州陶器巡礼(4)~実用性と芸術性を兼ね備えた梶原家の陶器

※Noteからの転載です
https://note.com/sparkxinghuo/n/na09776ab009d

 

代々受け継がれてきた梶原家の焼き物は、独自のスタイルを確立している。 装飾用の美術品よりも、皿や鉢、コップ、壺などの生活用品を中心に制作しているのが特徴である。 これらの実用的な作品は高値で取引されることはないが、だからといって、その装飾的、芸術的価値は決して侮ることはできない。

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また、梶原家は古人の技術をよりよく同化させ、引き出すために、19世紀以前の陶器を数多く収集し、花瓶、酒壺、尿壺などを奥に並べている(さて、どれでしょう?)。下の写真の右上の赤い箱に入っている骨董品は、現在の掃除用具である「ちり取り」に似ている。 持ち主に聞かなければ、何に使われていたのかよくわからない。 実はこれ、船倉や甲板の水を掬うための船具だったのだ。 なるほど、古くから漁業が発達していた日本では、漁船にもこのような用具が必要だったのだ。

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半日の見学と視察の最後に、ショールームの入り口で別れを告げると、半製品を屋外に干しているところが見渡せ、錆びた鉄の棚には、素焼きの半製品の蓋付鉢が数十個、蓋の内外と鉢の中に梅花が描かれ、生き生きとして面白い形になっていた。

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梶原さんによると、梅の花は奥様の指導のもと、奥様が手描きしたものだという。 この蓋碗太宰府市の飲食店からの注文で、乾燥・施釉後、間もなく窯入れされ、お客様の手元に届く予定だ。 太宰府は梅の産地として全国的に知られており、その梅の花を器に描くのは、実にふさわしい。

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日本食レストランでよく食事をされる人は、食器の種類が豊富で、繰り返しがほとんどないことに気づくだろう。 その理由は、これらの陶芸工房で作られたものが多く、ハンドメイドのためだ。 日本料理は「盛りつけ」で有名だが、食事そのものの盛りつけだけでなく、芸術的な食器の数々も欠かせない要素だ。 今後、日本料理を食べに行くときは、こうした手づくりの陶器の美しさを鑑賞してはどうだろうか? (完)

 

【出典】https://www.toutiao.com/article/7103150828109693440/
【翻訳】松本忠之