Spark (スパーク/星火)

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中国人が見た日本:九州陶器巡礼(2)~小石原焼13代目の陶芸小屋

※Noteからの転載です
https://note.com/sparkxinghuo/n/n04bb19ca2305

 

小石原焼の総合展示場で日本の友人たちと合流し、昼食をとった後、我々5人組はさまざまな陶芸工房を訪れた。この日は、小石原焼の13代目、梶原二郎さんだ。

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梶原さんは、日本の伝統的な軽装に身を包み、芸術的な雰囲気を漂わせる、チャーミングでぽっちゃりした男性だ。 挨拶もほどほどに、木々の生い茂る中庭を抜けて、これからお世話になる陶芸小屋に案内された。

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小屋は小ぶりの2階建てで、純粋な丸太で組み立てられ、塗装もされていない。 梶原さんによると、この小屋は純粋で伝統的な建築技術で、2年がかりで作られたそうだ。小屋は周囲のカエデの森に溶け込み、静かで奥行きのある空間だった。

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屋外のウッドテラスには苔が生え、「階段まで伸びた苔は碧く、窓かけまで入り組んだ草は緑」の古代詩を彷彿とさせる。小屋の1階にはリビングルームがあり、アーティスティックな雰囲気の中、エレガントな装飾がなされている。

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1階へ上がる階段も丸太でできており、人間工学的に最適とは言い難く、上り下りが大変だが、趣があり、優雅で、これはこれでなかなか面白い。

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2階はゲスト用スペースで、3〜4人が泊まれる大きな部屋が1つだけある。マイナスイオンに満ちたこの小屋で数日過ごせば、心も体も最大限に「癒やされる」はずだ。 しかし、鹿や猪、猿、ハクビシンなどの野生動物が頻繁に出没し、宿泊客の休憩を邪魔してもお構いなしに遊びまわるので、夜は静かではないと梶原氏は言う。 初めて見る人は怖いと思うかもしれない。

午後はずっと小屋の中で話し込んで、楽しい時間を過ごした。 梶原さんはとても話し好きで、自分の商売である陶芸だけでなく、芸術全般について豊富な知識を持っていた。 戦後生まれの梶原さんは、幼い頃から小石原焼に親しみ、1994年に「日本伝統工芸士」の認定を受けた。

氏の妻は画家で、有名な師匠に師事したという。彼女が陶器に描いた絵は、40〜50軒あった小石原焼の工房の中でも異彩を放っていた。梶原夫妻は高齢でセミリタイア状態であり、息子夫婦に引き継がれ、小石原焼の14代目になろうとしている。 (続く)

 

【出典】https://www.toutiao.com/article/7102589772173967887/
【翻訳】松本忠之